日用美品

森岡督行 - 森岡書店

小澄正雄さんのボトル

朝食のとき葡萄のジュースを入れたら、きれいだろうと思い購入しました。実際に使ってみると、光りがガラスと葡萄ジュースの泡に反射して、独特の風合いになりました。ずいぶん前の『芸術新潮』で、朝食を何で食べるか、という企画があり、「ままならない世の中、自分の食べる器くらいはきれいにしたい」という意見に賛同したことがありました。このボトルもふつうの朝を豊にしてくれると思います

リモアのスーツケース

以前からシンプルなかたちに惹かれていましたが、昨年、旅行が続いた際に求めました。これの良 いところは、搬入搬出で乱雑に扱われても、かえって凹みやキズが風合い変わることです。例えば、四つ角のひとつが凹んでいるのはニューヨークに向かうときのもの。この凹みを見るとその旅を思い出したりします。今後も思い出が加わってくれることを願っています。

郡司庸久さん郡司慶子さんのカップ

欲深い私は、51%Tokyoで同社の三浦哲生さんがこの器を使っているのを見て、 すぐ同じものが欲しくなりました。訊けば郡司庸久さん慶子さんによるもの。その後、郡司夫妻にわがままをきいてもらい、3つ、手元に置くことができました。この器でお茶を飲むと、郡司夫妻と同席した、ある結婚式を思い出すとこがあります。新郎新婦の仲人は郡司夫妻。きっと新郎新婦は郡司夫妻のような夫婦になりたかったのだと思います。


森岡督行

1974年生まれ。株式会社森岡書店代表。
著書に『荒野の古本屋』(晶文社)、『本と店主』(誠文堂新光社)等がある。
『工芸青花』、『芸術新潮』を始めとする媒体にて連載・執筆を行っている。
現在、21_21 DESIGN SIGHTにて開催されている「雑貨展」にブースを出展中。
株式会社森岡書店の取り組みとビジュアル・デザインが、ドイツのiFデザイン賞とイギリスのD&AD賞を受賞した。
『工芸青花』編集委員。